学会紹介と歴史
学会紹介と歴史
学会長
1964年3月に発足した放射線イメージ・インフォメーション研究会(略称RII:Radiological Image Information)を起源とする医用画像情報学会(略称MII: Medical Imaging and Information Sciences)は、1984年6月、「世界に認められる生体の画像情報に関する権威ある学会」を目標として設立されました.RIIから数えると今年で60年の歴史ある学会です.この学会の会員は、主に理工学、放射線技術学、医学の医用画像情報学分野に興味を持つ研究者です.年3回、日本各地で大会が開催され、そこで発表された研究成果の多くは論文としてまとめられ医用画像情報学会雑誌や海外のジャーナルなどに発表されています.
初代RII会長は、当時の日本の放射線科医学の巨匠である大阪大学の立入弘先生で、二代目会長は、回転横断装置や原体照射装置を開発された名古屋大学の高橋信次先生です.このように高名な先生方が歴代会長を務めた医用画像系の研究会は他にありません.そしてMIIの歴代会長は、内田勝先生(元大阪大学)、金森仁志先生(元京都工芸繊維大学)、小寺吉衞先生(元名古屋大学)、藤田広志先生(岐阜大学)、石田隆行(大阪大学)、そして有村秀孝(九州大学)です.医療においては、企業で開発された高度な画像診断システムを用いて診療放射線技師が撮影し、放射線科医が診断をしていますが、本学会は、それぞれの立場の研究者が参加し自由闊達に意見交換できる学会として小規模ながら存在感を示しています.
発足当初は、放射線画像の画質評価法、X線管、画像診断装置などの研究が多くなされ、それによって医用画像の画質の定量評価に関する理論や方法が確立されました.そして、ディジタル化が進むとともに、ディジタル画像の画像評価、画像処理、コンピュータ支援診断、そして現在では人工知能を応用した研究が増え、この分野の研究を牽引しています.また、会員による人工知能研究を推進するために、近年はAI論文特集号発行や深層学習セミナーを開催しています.
今後も、世界に認められる生体の画像情報に関する権威ある学会を目指していくため、この分野に興味を持つより多くの方々にご入会頂き、自由闊達に議論できる場を提供し続けて、MIIをさらに発展させたいと思っています.
参考文献) 医用画像情報学会雑誌 Vol. 31(2014) No. 2、No. 3
2024年5月31日